金属製品で、溶接可能と判断(これは厳密にいうとかなり制約が有ります)出来れば、修理を承るようにしています。
それは、当社の溶接技術が少しでもお役に立てればというところと、技術向上の両面からです。
正直に言いますと失敗したこともあります。
溶接すればするほどひどいことになり、すっかりダメになったものも有るのです(そこで学習していくのですけど・・・)。
そんなことになった時は申し訳ない気持ちになります。
お客様に対しても、直せなかった品物に対しても。
現行品は買い替えをお勧めしています。
しかし、直すことが出来なければ泣く泣く廃棄処分(代替品が無い) という品物はうちの技術で出来ることなら直してあげたい。
と思います。
今回のご依頼は、商品が手元に来る間の何かしらのアクシデントでの損傷。
しかも、アルミで中空の取手部分。
幸い、折れたわけではなく衝撃で凹んだ状態です。

無垢材ならば、溶接肉盛サンダー仕上げというところですが、パイプ形状でしょうし、肉厚がわからないのでまずは溶接の作業は無しと判断。
パテ埋めにするにしても耐熱性がネックになります。
鍋の底は高熱になるし、内側は食品衛生上問題有りです。
幸い取手部分ですので、ホーロー製品補修材をモノタロウで購入して試してみることにしました。

この補修材は1対1での配合。
水彩絵の具での着色も可能です。
しかも耐熱。

白い部分は1回目、そのままの配合。
茶色い部分は2回目、水彩絵の具「こげ茶」を少し(重量の10%以内)混ぜてみました。
この後は耐水ペーパー#400 #800 #1500で仕上げました。

塗装前のマスキング。
取手以外はほぼ新品ですので、部分補修です。

塗装完成。
仕上げが上手ではないので(センス悪いです)なんだかいびつですね。
申し訳ございません。
それでも、塗装の境目はよーく見ないとわからない感じになりました。
たまたま同じような色が在庫で有ったのでラッキーでした。