2007年に製品の品質に大きな問題があり、多方面に多大なご迷惑をお掛けしてしまった経験から 「当社の品質とは何なのか」という基本に立ち返って考えなおす機会を作ろうと思い、2009年1月からISO9001の取得を目指すことにしました。
皆様ご存知の通り2008年10月にサブプライムローンの問題からリーマンブラザーズが破綻するという大規模な金融危機が起こり、日本の経済も壊滅的な影響がありました。
当社もご多分に漏れず大打撃でしたけど。時間だけは有り余るほど有った(お金はない)ので、自力で取得することを目指したのでした。
「ISOって何?」というところから始めなければいけなかったので、取り敢えず理解するための参考書を探しました。
そして見つけたのがこの本。
「取る前に読む本」
このころの私には、もうこれ以上ないというくらいピッタリな題名!
早速ネットで購入して読み始めたのでした。
ISOはどういうものなのか、どこが作ったのか、何故出来たのか、取得するってどうゆうことなのか、費用は、期間は、品質管理の定義などなど。
とても分かりやすく丁寧に書いてあります。
しかし、それは今読み返すとそう思うということ。
このころの私はこんなに丁寧に説明されているのに理解に苦しむのでした(笑)
って笑っている場合じゃない!
毎週月曜日に1ページずつ朝礼の時に勉強会をしていたのですが、説明している本人(私)が理解していないのでかなりトンチンカンだったと思います。
それでも一通り勉強会を終わらせたのですがかなりの不完全燃焼。
このままではどう考えても取得に辿り着けない!と危機感が募り
もっとわかりやす書物は無いものかと次に探し当てたのが
「マンガdeISO9001」

この本がまた秀逸。
原作はとある企業の社長であることから、ISO9001取得時に苦労されたということは想像に難しくない。
登場人物の設定も丁寧にされていて、推進派と反対勢力のせめぎあいが最初にあるものの、ISOがどういうものなのかわかってくるとみんなで協力し合うようになる(実際は根付かせるのに時間がかかります)。
特に「5S」の必要性を漫画で説明しているのでとても分かりやすいです。
巻末の用語解説も分かりやすいです。
しかしここでも問題が・・・・・
内容はわかってきたけど、品質マニュアルをどのように作成したらよいかがわからないのです。
そんなことを考えていた時期に中小企業振興公社の「内部監査員養成講座」を受けに行っていて、そこで見つけたのがこの冊子。

机の上に積んであったので頂いてきたのですが、これが実に分かりやすいのです。
事例や必要な書類のフォーマットも載っていて便利です

取り敢えずは最初から。
「ISO9001ってなに?」から始めて、認証取得活動の進め方、規格説明、そして事例と読んでいくと、スイスイ頭に入ってくる(かなり誇張しています)。
いきなりこの冊子だったら目を通すこともままならなかったと思うけど、先に紹介した2冊が有ったおかげで読み解くことが出来たんだと思います。

そして取得!
ってなわけにはいきません。
マニュアル作りがあるのです。
それにはやっぱりコンサルタントをお願いしたのでした(自力では無理!)。
毎月一回全体で講習会を開きマニュアル作りをしていきました。
これをすること約一年。
そしていよいよ審査機関を決めて審査をしてもらうことになるのです。
書類を用意して心の準備をして2日間の審査。
マニュアル通りに製品が流れているか、書類は揃っているか、整理整頓できているか、法的に必要な検査はちゃんと受けているか等、緊張の連続でした。
クローズミーティングは全員で行い、審査員の全体の評価を聞きました。
お陰様で大きな不適合は無く細かい部分の改善を提案していただく程度でした。

登録証が届いたときには感無量です。
しかし、これは始まりにすぎません。
継続と維持が求められるのです。
曲がりなりにも勉強していたお陰で、ISO9001-2008から2015年度版に更新する審査は、全て社内でマニュアルを修正して完結させました。
そして今年、審査機関も変えてみましたが変わりなく審査が通りましたので、毎日やっていることは間違っていないと感じました。
それでも不良が無くなるわけではありません。
どうすれば不良が無くなるかを考え続けるだけなんです。
これはもう永遠のテーマですね。