今回は鍋の取手の修理です。
ホーロー引きになっていますが、中は鉄の鋳物。
幸いポッキリ折れているので、元の場所に合わせるのは簡単です。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6863_R-1024x684.jpg)
でも、ホーロー鍋ですので溶接する部分は剥がさないといけません。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6871_R-1024x684.jpg)
金属部分が出てきたらこのまま開先も取ります。
でも、いつも書いているようにここで大きく取ると合わせづらくなるので
程よい感じにしておきます。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6869_R-1024x684.jpg)
この後に問題になるのが、溶接する時の「アース」をどのように取るかということです。
鍋全体がホーロー引きになっているので、このまま溶接するとスパークしてしまい鍋自体をダメにしてしまいそうな感じです。
そこで役に立つのがアースケーブル。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6868_R-1024x684.jpg)
このケーブルは優れものです。
両側がマグネットになっているので自由自在です。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6874_R-1024x684.jpg)
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6878_R-1024x684.jpg)
ニッケルの含有量が多い溶加棒を使って溶接です。
この鍋の鋳物にはよく馴染みました。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6883_R-1024x684.jpg)
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/DSC_6885_R-1024x684.jpg)
そして仕上げにグラインダーを掛けて溶接ビードを削り取ります。
最初#60で粗取りして#120で仕上げて更に#180で仕上げました。
この後は塗装です。
食品関係ですので取手の部分のみの修正塗装しました。
![](http://nisiki-chuo.co.jp/wp-content/uploads/2023/09/鍋2_R-768x1024.jpg)
完成です。
直せるものは直したいです。
もちろん直せないものもあります(物理的に直せなかったり、設備的に直せなかったり、知識不足で直せなかったり、技術不足で直せなかったり)。
でも、出来るだけ直したい。
この地球に住み続けたいから(ちょっと大袈裟でした)。