密閉された物の中身を見るのはなんだかドキドキします。
いわゆるブラックボックス的な感じです。
見てはいけないもの、見られてはならないもの。
それを見えるようにする作業。

当社がカットする部品も教育用だったり試作品だったり新製品だったりと様々です。
中身がよく見えるようにカットして、それでいて原形のプロポーションが崩れないようにします。

そして材質も様々です。
金属も軟鋼、鋳物、炭素鋼、クロームモリブデン鋼、銅、アルミ、ステンレスなど。
その他にもベークライト、紙、樹脂、ゴムと多彩です。
材質が違えば断面にしても違いが判りますが、同じ材質となると色分けしていかないと、どこまでがどの部品かがわかりにくいので塗装して部品の境目を分かりやすくします。

動くものをカットして、動くようにするのがまた大変です。
よく考えてケースをカットしていかないと動かなくなります。
そして、それを実現するためには金属の知識、加工の知識と技術、構造に関する知識、カットする位置を判断するセンス、カットする機械と刃物、メッキの知識、防錆に関する知識、カット面に塗る色のセンス、それをする器用さも求められます。
そういう意味でもカットモデルを手掛ける会社はとても少ないのです。
しかも定期的に受注が出来るわけではないので「商売」としては成り立ちにくい分野だと思います。
当社も13年ほど前にカットモデル製作部門を廃止してしまいましたが、近年また問い合わせが来るようになり、昔の記憶や資料を頼りに少し再開しています。