知り合いから修理の依頼がありました。
例会の開会宣言の時に打つゴングの上のエンブレム。
原因は分かりませんが折れてしまったそうです。
接着剤で補修されていてどうなっているのか分からなかったのですけど、
シンナーに漬けておいたらこのように破断していました。
問題はどうやってくっつけるかです。
ブロンズ製なのでTig溶接というわけにはいかないので、これはやっぱり銀ロウの出番です。
しかし、接着剤が残っていたら銀ロウも付かないので、シンナーで洗浄して、ワイヤーブラシをかけて、更に熱して接着剤の成分を飛ばしてまたブラシをかけるという、この作業の方が大変でした。
折れた時点でそのまま持って来て頂ければその方がやり易いです。

合わせてみるとこんな感じだったんだとわかるので(過去にはバラバラになっていた案件もありました)安堵しました。

フラックスを塗布して、銀ロウ付け作業を開始です。
隙間が大きいので銀ロウを多めに入れます。

こんな感じにくっついたら。
余分な銀を番手の細かい研磨布で仕上げていきます。

そして、塗装。
仕上げたところはピカピカになってしまうので、違和感が半端ないです。
それを過去に買って置きっぱなしの缶スプレーを探してそれらしくします。

そして完成。
「元通り!」というわけにはいきませんが、とりあえずは使える状態になりました。
銀ロウでの修理はかなり熱が加わるので、それに耐える金属と構造でないと出来ません。
Tig溶接が良い時もあるし、銀ロウでやらないとだめなものもあるし、そもそも修理出来ないものもあります。
特にプレス成型して、応力が残っているものは割れが発生してしまい修理が出来ないのです。
皆様、大事に扱っているとは思いますが、慎重にお願い致します。