取っ手が折れてしまった南部鉄器のスキレットの修理を依頼されました。
破断面は綺麗でしたので、修理自体は問題ありません。

接合部が不自然にならないようにクランプ。
この状態で仮付けを行います。

仮付けが終わったら本付け、クランプしたまま溶接した方が歪みませんが、今回は外して本付け。

こんな感じに溶接。
表面だけ溶接すると仕上げたときに弱いので、開先を取りながら中までしっかり溶け込ませました。

溶接ビードの仕上げ。
丁度親指がくるところなので滑らかに仕上げています。
独特の黒は無くなってしまいました。
溶接と仕上げの工程はここまで。

仕上げたので酸化被膜も取れてしまって、錆の発生が予想されるのでこの後一般的に「育てる」というのを短時間でやってみました

バーナーで加熱と冷却を何度か繰り返して、最後に加熱した部分にごま油を重ね塗りして完成。
溶接した部分はニッケルの含有量が多い棒を溶け込ませているので酸化しませんから、鉄の部分との境目がはっきりしました。
これで無事納品できました。