先日、南部鉄瓶の蓋のつまみが折れてしまったものを溶接しました。
鋳物の溶接は緊張します。
過去のブログでも書きましたけど、緊張するのは最初のアークの瞬間です。
この一発目で「くっつく」のか「くっつかない」のかが大体わかります。
折れた断面はピッタリと合うので、仮付けは大変ではないのですけど、怖いのは本溶接をしたときに、熱で割れてしまうことです。
鋳鉄は炭素含有量が多いので入熱が多いとクラックが入ることがあります。
溶接の最中に「ピキ」とか「キン」とか乾いた音がするのですが気が気ではありません。
開先は取りますけど、母材の希釈は出来るだけ小さくします。
この塩梅がコツと言えばコツです。


溶接棒はニッケル系です。
自分のものでしたら溶接のやり方も色々とやってみるのですけど、人様のものはやっぱり怖いですね。
確実な線での完成にしています。