マンホールの蓋の修理の依頼が来ました。
鋳鉄です(マンホールの蓋は鋳物です)。
開けるための工具を入れる穴の部分が折れてしまっています。
こじった時(表現合っていますか?)に折れたそうですが、断面を見ると錆びているので永い間に疲労破壊が進んでいたところに力が加わって折れたと思います。
とても重い蓋で、その割に縁の厚みが薄いように感じました。

単純骨折みたいに合わせるとピッタンコ。

仮付け用に開先を取りました。
仮付けがちゃんと出来たら大きく開先を取ります。

もちろん、裏も開先して溶接します。
溶接も一気に片側だけ溶接すると割れる恐れがあるので、面倒くさいと思っても交互にやらないといけません。
前にも書きましたが、鋳鉄の溶接はニッケルの含有量が多いもの(70%以上)でモリブデンが添加してあるものがいいです(耐割れ性)
電流も高くしないで母材の希釈は小さくします。

溶接はそんなに特殊ではないですけど、仮付けの時に錆や汚れでブローホールが出来るのでそこはしっかり修正します。
元の強度にはならないので、扱いには注意が必要にはなりますが、取り敢えずは
使える状態になりました。