何故だか上手く活用できていない低温ロウですが、先日やっと活躍する仕事が有りました。
それは湯たんぽの漏れ修理です。
ある日、「湯たんぽからお湯が漏れてしまうのですが修理が出来ますか?」
という問い合わせがあり「修理できるかは分かりませんが取り敢えず拝見させてください」と送って頂きました。
到着した湯たんぽは年代物ですがしっかりと出来ていて蓋がカッコいいお洒落なものでした。
水を入れてみたら、なるほど漏れます。
修理自体は多分ハンダでも大丈夫だと思うのですが、ここはやっぱり折角購入した低温ロウでやってみました。
材質は当初わからなかったのですが、ロウ付けするにあたり酸化膜を紙やすりで除去していたら真鍮のようでした。
早速フラックスを塗りハンダゴテでハンダ付けする要領で(やっぱりハンダでよかったかも)作業をするとハンダよりも厚く盛ることが出来ます(見た目がちょっとカッコ悪い)。
この作業自体は大変ではないのですが、漏れ試験をやらないと怖いので水張検査をしました(そりゃそうだ)。
一回目はうっすらと滲んできたので、再度広範囲にわたり補修。
水張試験はバッチリ。
さあ出荷だ、と準備をしている時に
「いや、待てよ中に入れるのは熱湯か」と気が付き。
ストーブの上に乗っていたやかんのお湯を入れたら、なんと漏れてしまうのです。
きっと熱膨張して何処かに隙間が出来るのです。
ハンダよりも流動性が悪いので隙間に浸透していないのでした。
「これはいかん!」ということで再度作業。
今更ハンダでの作業は低温ロウが邪魔してしまってダメなので、そのまま低温ロウでの作業。
厚く盛れるので、少し多めに盛り付けました。
そして熱湯注入。
漏れは止まりました。
しかし、膨張と収縮を繰り返すので念のため、3回試験して漏れが無いことが確認できたので出荷。
それでも、熱湯を注いで足元に置いて、もしも漏れたら・・・
と思うととても心配でした。
後日、修理を依頼してくれた方からご丁寧に「漏れませんでした」というメールを頂き、一安心して「直せて良かったなぁ」と安堵する私でした。